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​精密を、極める

1mm以下の精度が要求される歯科治療において、手術用顕微鏡は今や欠かすことのできない機材となっており、中でも当院長の専門分野でもある歯内療法(根の治療)には必須であると言い切ることができます。

当院ではその歴史、実績および信頼性において最も優れているカール・ツァイス社の最新機種を導入し、様々な治療に応用しています。

マイクロスコープ(顕微鏡)を用いた最初の歯科治療

 ドイツ、イエーナで創業した光学機器メーカー、カール・ツァイス社は、1897年に世界初の実体顕微鏡(グリノー型顕微鏡)を開発しました。

 米国農務省の植物学者デビッド・フェアチャイルド博士(Dr. David Fairchild)はこの新しいタイプの顕微鏡に歯科治療への応用の可能性を見出し、歯科医師のシャーリー・ボウルズ博士(Dr. Shirley W. Bowles)(写真右)とともに、歯科治療への応用を試みました。

 フェアチャイルド博士がボウルズ博士にあてた手紙によれば、この顕微鏡の利点として主に以下の4点が挙げられています。

  1. 従来の顕微鏡のように像が反転することがないこと

  2. 対物レンズが2つあることにより立体視が可能であり、深い被写界深度を得ることができること

  3. 1インチ半(3.81cm)から4インチ(10.16cm)の大きな作動距離(working distance)を持つこと

  4. (付属の電灯と反射板によって)明視野を得ることができること

 これらは現代の手術用顕微鏡においても変わらず重要な要素であり、特に良好な被写界深度、作動距離の広さ、および視野の明るさは、実用面から言えばそれ自体が手術用顕微鏡のスペックであると言っても過言ではありません。

 

 この手紙の結びの言葉には、このように書かれています。「私はこの装置が科学的な歯科医学の未来にとって重要な役割を果たすような気がしてならない。」

参考:Bowles S W. A new adaptation of the microscope to dentistry. Dent Cosmos 1907;49:358-362.

カールツァイス グリノータイプ顕微鏡 StandⅩa
カールツァイス グリノータイプ顕微鏡 StandⅩb

カールツァイス, スタンドXb(BRAUS-DRÜNER’s Binocular Dissecting Stand)※シャッター付属

カールツァイス, スタンドXa

参考:Carl Zeiss Jena, VEB. Zeiss catalog; Microscopes and microscopic accessories 1902; vol, 32.

Carl Zeiss EXTARO300

 当院ではカール・ツァイス社の歯科用顕微鏡の最新機種であるEXTARO300を導入しています。

​ 特徴として、片手による操作で各種調節が可能であり、それによりスムーズな診療を行うことが可能であることが従来の機種との大きな違いです。

 また、カール・ツァイス独自の機構も引き続き搭載されており、大学や勤務先で同社の顕微鏡を使い続けてきた経験を存分に活かすことができます。

 

 将来的には全ての衛生士のスタッフにも使って頂き、患者さんにその恩恵をもたらして頂きたいと考えています。

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歯の根のレントゲン写真。

​古い詰め物(黄色い矢印で示す白い部分)が汚染されており、炎症の原因になっていると思われます。

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ほぼ肉眼で見た場合。

​歯の形はわかりますが、歯の中の状態はよくわかりません。

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マイクロスコープで拡大した場合。

根の中の構造がよく分かり、炎症の原因となっているであろう古い詰め物(ピンク色の物)が見えます。

「原因が見える」ことではじめて正確な治療をすることが可能になります。

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